徒然(電気雑記)
6 IC製造基盤
6.a シリコン結晶
固体物質には構成元素が規則正しく立体的に並んでいる単結晶、部分的に単結晶のものが不規則に並んでいる多結晶、構成元素が規則的には配置されているが、元素間の間隔、角度などが不規則に並んでいるアモルファスなどがある。単結晶には図103に示すような簡単な結合状態の格子が規則正しく並んだ結晶もあるが、シリコン単結晶は複雑で図102に示すようなダイヤモンド構造と呼ばれる格子が規則正しく並んだ単結晶である。図103には基本的な格子を示しており、一番簡単な格子が単純立方格子と呼ばれるもので、立方体の8個の角に原子が位置するもので、これにはリン(P)やマンガン(Mn)の単結晶などがある。ついで、体心立方格子でこれは単純立方格子の中心に一つ格子が増えた状態で、これにはナトリウム(Na)、タングステン(W)の単結晶がある。さらに面心立方格子があり、これは単純立方格子の各面すなわち6面の面中心に格子が増えた状態でアルミニウム(Al)、金(Au)などがある。ダイヤモンド構造は一つの面心立方格子に対角線上に1/4格子間隔だけずらした面心立法格子の重なりである。この構造にはダイヤモンド(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などがある。このような格子のほかに3斜晶系(triclinic system)、単斜晶系(monoclinic system)、斜方晶系(rhombic system)、正方晶系(teragonal syatem)、6方晶系(hexagonal system)、菱面体晶系(rhombohedral system)がある。
図6−1 ダイヤモンド構造 |
図6−2 基本的な格子(立方晶系) |
シリコン結晶を製作するためのシリコン材料の製作についてであるが、まずシリコン元素の多く含む珪砂などの原料を高温中で炭素により還元し、これにより得られた金属シリコンを精製するため塩素ガスと反応させ三塩化シラン(SiHCl3)をつくり、これを蒸留法で精製する。高純度に精製された三塩化シランを1000℃ほどの高温中で水素と反応させるCVD法(Chemical Vapor Deposition)で多結晶シリコン(Polycrystalline Silicon)を得る。この多結晶シリコンから単結晶シリコンを製作する方法にはCZ(Czochralski Zone)法またはチョクラルスキ法とFZ(Floating Zone)法がある。
CZ法は図6−3に示すようにアルゴン雰囲気中で石英るつぼ内に多結晶シリコンを入れグラファイトヒータでグラファイトるつぼを加熱(約1400℃)し、シリコン融液にし、このシリコン融液中に種結晶(小さな単結晶)を浸す。この種結晶をゆっくりと回転させながら上げていくと種結晶に単結晶が付着成長していき、円筒状のシリコン単結晶のインゴットが製作される
FZ法は図6−4に示している。多結晶の円筒状のインゴットを図のようにアルゴン雰囲気中の容器に入れ最下部に種結晶を置き容器の外部にリング状に高周波コイルにより部分加熱を行う。高周波コイルを種結晶接続部から徐々に上部に移動させ、シリコン融解部を種結晶接続部から徐々に上部に移動させると融解領域の下部は再結晶し単結晶になる。そして、最上部まで単結晶領域を広げることができる。融解部分が再結晶するときは不純物の濃度は融解部分より再結晶部分より高くなる傾向があるため、高純度の単結晶が得られる。
FZ方式の方がCZ法より高純度の単結晶が得やすいが構造上直径の大きい物が得にくいので、現在のシリコンウエーハのほとんどがCZ法で作られている。図6−5はシリコン単結晶のインゴッドとウエーハの写真を示している。
ウエーハ(wafer): インゴッド(ingot)からウエーハを得るには刃にはダイヤモンド粒子を付着させた回転刃で円盤状のウエーハに切り出し(スライシング)、ウエーハの外周を砥石で面取りし、ラップ盤上にアルミナまたはダイヤモンド粒子で両面を研磨し、薬液でエッチングし研磨時の歪層を除去し、さらに片面を微粒子の研磨剤で研磨し、さらに薬剤(水酸化ナトリウムなどのアルカリ液)と研磨剤を使い鏡面研磨を行い図6−5のような片面鏡面のシリコンウエーハを得る。この間鏡面側には素子を作りこむ層(活性層)より結晶欠陥を取り除く操作(水素熱処理(水素アニールanneal))、裏面ゲッタリング(gettering)などを加え完全単結晶に近づける。ウエーハの実際の形状は完全な円ではなく図に示すように一箇所がフラットになった円になっている。このフラットな部分をオリエンテーションフラット(orientation flat)と呼び、LSI製作工程において諸操作を行うときのウエーハ位置や方向の検出などに用いる。このオリエンテーションフラットはウエーハを切り出す前にインゴットの側面を削っておく。
図6−3 CZ法 |
図6−4 FZ法 |
図6−5 シリコン単結晶のインゴッドとウエーハ |
ウエーハの大きさはいろいろある。大きさは直径のインチ表示で示され、当初は1インチ(25.4mm)から始まり、2”(2インチ、50.8mm)、3”、4”、5”、6”、8”、と大きくなっていき、現在は12”(300mm)に至っている。大きさが大きくなって来たのはICの集積度が年代とともに高くなり、素子の大きさは小さくはなっていくものの1チップの大きはどうしても大きくなり、これを歩留まり良く数多く良品を得るにはウエーハの大きさが大きくならざる得なくなった。N形シリコンの不純物にはリン(P)、アンチモン(Sb)、砒素(As)があり、P形シリコンの不純物にはホウ素(B)を用いている。シリコンウエーハの面の結晶軸方向は(100)、(111)、(110)などが使われている。この中で一番多く使われているのは(100)である。ウエーハの厚さは直径の大きさが大きくなるほど製作上の扱いやすさから強度が考慮され厚くなる。例にあげると2”:275μmm; 3”:380μm; 4”:525μm; 5”:625μm; 6”:675μm; 8”:725μm; 12”:775μmである。ICの集積度と共に素子、配線の微細化が進んでおり、これに伴い製作工程の精密さが要求され、ウエーハの形状に対する仕様上の要求が厳密になっており、例えばウエーハ全体の平坦度は10μm以下で、直径6”のもので15mm×15mm内、直径8”のもので20mm×20mm内で平坦度が1.2μm以下が要求されている。シリコンウエーハ上に存在するごみの数も0.2μm以上のもので20個以下が要求されている。
6.b クリーンシステム(clean system)
ICの集積度が高くなり、微細化が進むに従い、ゴミ(dust)の影響が非常に大きくなって来ました。ゴミがあると図6−6に示すような配線の断線や短絡の原因になる。製造工程に影響を持つゴミの大きさは最小パターン幅(配線幅、ゲート長など)の1/5から1/10の大きさ以上のゴミである。すなわち、現在製造されている超LSIの最小パターン幅は0.2μmであるので直径0.04μm以上のゴミが影響する。このようなゴミの影響をなくすためにはすべての製作工程がゴミがなく、雰囲気、使用する水や薬液、ガスなどにゴミがない状態を作り出すのが必要で、さらにシリコンに悪影響を及ぼす不純物のない状態を作り出す必要がある。このためにはすべてをクリーン(清浄clean)な状態を作り出すことクリーンシステムを作り出し、この状態の下で超LSIを製造する必要がある。
図6−6 ゴミの配線への影響 |
図6−7 垂直層流方式のクリーンルーム |
図6−8 クリーントンネル方式 |
表6−1 ISO清浄度規格 ISOクラス 粒径0.1μm以上の 最大許容粒子濃度(個/m3) 1 10 2 102 3 103 4 104 5 105 6 106 7 107 8 109 |
クリーンルーム(clean room): 大気中に浮遊しているゴミの数は0.1μm以上のもので数億個/m3と言われている。これに対して超LSI製造のためには0.01μm以上のゴミが1個/m3以下が必要であると言われている。クリーンルーム中のゴミの数の少なさすなわち清浄度を表すのにクラス表示があり、この規格が表5で示すようなISOで決められている。表6−1のISOクラス8の109個になっているのは10の9乗すなわち109個のことである。初期のクラス表示は米国連邦規格が使われていた。このようなクリーン度を満足するクリーンルームを作る基本的なものは図6−7に示すような垂直層流(vertical laminar flow)方式である。これの基本な考えは上から風を下へ流し、風の流れは層流で設備や作業台の表面において乱流を生じさせずに層流になるようにしている。ゴミは発生場所から速やかに下方に追いやり乱流によりゴミを逆流させないことが必要である。そこで、天井には大気より空調設備を経て温度、湿度のコントロールがなされた空気からゴミを除去するためにフィルタを設置する。フィルタとしては0.3μmのフタル酸ジオクチル(DOP)粒子に対して捕集率が99.97%以上を保証するHEPAフィルタ(High Efficiency Particlate Air)、0.1μmのDOP粒子に対して捕集率が99.9995%以上のULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air)などがある。さらに捕集率99.999999%のULPAフィルタがある。そして、下方に追いやったゴミはすのこのようなグレーティング床(grated floor)に導き、グレーティング床から集められた空気はゴミを取り除き空調設備に送り、一部は循環させ、一部は外部空気が補充され、空調設備に送られる。図6−7に示すようなクリーンルームはゴミを多く発生する設備とゴミを最小限にする必要にあるウエーハの作業領域が共存するためクリーン度を上げるには非常に効率が悪い方式である。そこで、図6−8で示されるようなクリーントンネル方式が開発された。これはウエーハ製造工程の流れに合わせ設備を配列し、設備領域とウエーハ処理領域とはパーテションでウエーハ処理領域と作業領域(作業者の動く領域)とは天井からのアイリッド(垂れ下がり板)で分け、それぞれの領域に適したクリーン度に保つ方式にした。この方式はクリーン度、コストにおいては非常に効率が良いが、領域が固定化されるため領域変動の柔軟性に欠ける。半導体の設備のように技術革新が激しく変化する場合に対して問題が残る。これに対して現在ではフィルタにファンを併設させ風量を個々に制御できるようにしたF.F(Fan Filter)ユニット方式が主流になっている。前述の方式は天井にフィルタのみが設置され、風は天井全面に送風機から送られている。このF.Fユニット方式は図6−7の天井部をF.Fユニットの大きさを基準にした碁盤目状の仕切りを持たせ、装置に合わせメンテナンス領域とウエーハ処理領域と作業領域とをパーテションとアイリッドで仕切り、それぞれに適した清浄度を確保するためにそれぞれの領域の天井に必要な数のF.Fユニットを設置し、それ以外の天井は天板で覆う。この方式であれば、設備の変更に柔軟に対応させることができる。設備を比較的自由に変更可能であるとはいえ、全体から見た工程の流れには適合させる必要があるので、基本的にはクリーントンネルに似た体系になる。クリーンルーム内でゴミの大きな要因の一つは作業者である。作業者からのゴミの排出をなくすために帽子付のクリーンウエア、クリーン手袋、などを着用し、クリーンルームへの出入り口にはクリーンエアーシャワー室を設け入室時に室外からのゴミの持込を遮断している。なお、クリーンルーム内での作業者の数を減少させるための自動化が進められている。例えば、材料の搬送、移送などの自動化である。クリーンルームはゴミの排除が非常に重要であるが、これだけではなく、現在のように微細化が非常に進んでくると局所的な不純物の乱れが素子の性能に大きく影響を及ぼす。これの大きな要因は大気中の不純物である。これには外界からだけではなく設備機器、部材、製造工程中からの不純物(ケミカル汚染:有機物(シロキサン、フタル酸エステル、リン酸エステル、炭化水素類)、酸性ガス(SOx、NOx、HF、HCl)、アルカリ性ガス(NH3、アミン類)、金属(K、Na、P))が非常に問題視されてきている。これらを防ぐにはケミカルフィルタ(物理吸着、化学吸着、イオン交換反応)やエアーワシャーなどを設置している。さらにクリーンルームでコントロールが必要なものには温度(温度変動は特にガラスマスクの寸法に影響し、露光工程などの微細加工に悪影響)、湿度(あまり乾燥しすぎると静電気が起こりやすく、素子の劣化の要因になり、湿度が大きすぎると結露しやすく設備や工程に悪影響)がある。
超純水(ultra−pure water):上述でクリーンルームについて述べたが、製造工程において何度も洗浄工程、フォトリソ工程を経る。このときに水を使うことは避けることができない。この水において不純物およびゴミを除去することが非常に重要である。すなわち、限りなくH2Oに近い純水を作り出す必要がある。すなわち、このような純水を超純水と呼んでいる。超純水の作る方法の例を図6−9に示す。原水すなわち地下水や水道水などを原水として、これに活性炭や薬品でもって大まかに素子に悪影響を及ぼす不純物などを凝集、沈殿させ、ろ過してきれいな水にする。このような水をさらに純度を上げるため、逆浸透(reverse osmosis)装置の浸透膜中を水を透過させる。半透膜を水に不純物の溶解している溶解濃度の濃い水域と薄い水域の間に設置すると濃度の薄い水域から濃い水域に純粋な水が浸透して濃い水を薄めようとする働きがある。この原理を逆に用いると、濃度の濃い水域に大きな圧力を加えると濃度の濃い水域の純水のみが濃度の薄い水域に浸透し、ますます、水の純度が上がる。このようにして純度を上げた水を空気中にさらしておくと大気の酸素や炭酸ガス、窒素などが混入し、水が中性では無くなる。そこで、混入した大気を真空脱気する。この水に残留しているイオン(陽イオン、陰イオン)をイオン交換樹脂でもって取り除く。そして、バクテリヤ、微生物、などを紫外線で死滅させ、フィルタで取り除き、比抵抗で10MΩ・cm程度の純水を作り出す。この純水をさらに純度を上げるため残留のイオンをイオン交換樹脂で取り除き、さらに残留するバクテリア、微生物を取り除き微少な微細なゴミを取り除き比抵抗で18MΩ・cm以上の超純水を作り出し、ユースポイント(利用蛇口)に送り出す。そして、ユースポイントで使われていない場合には超純水を一次純水のところに戻し水が滞ることが無いように循環させる。滞る場所があれば必ずそこで菌などが繁殖する可能性がある。このような超純水の水質はLSIの集積度が増えれば増えるほど微細化が必要なため要求が厳しくなる。そこで、要求度はメモリーに使われるDRAMの集積度の大きさで仕様が決められている。たとえば1GB(1ギガバイト、109個のMOSトランジスタ)の、最小線幅0.13μmで、比抵抗18.2MΩ・cm以上、TOC(有機体炭素量)0.5ppb以下、微粒子(ゴミ)0.03μm以上が1個/ml以下、溶存酸素2μg/l以下、生菌0.1cfu/l以下、蒸発残留物0.1μg/l以下、シリカ0.1μg/l以下、金属成分0.1ng/l以下、陰イオン成分1μgCl/l以下である。このような超純水のための配管はテフロンが使われている。
薬品(chemicals)・ガス(gas):シリコンウエーハの処理工程において多くの薬品が使用される。重要な工程の一つが洗浄工程でウエーハ洗浄である。この洗浄方法にはRCA洗浄法があり、薬品としては有機物、金属汚染を除去するためのアンモニウム(NH4OH)、過酸化水素(H2O2)があり、シリコン酸化膜(SiO2)除去のフッ化水素(HF)さらに金属汚染除去のための塩酸(HCl)がある。また、薄膜エッチングの薬品としてシリコンにはフッ化水素(HF)、硝酸(HNO3)、アルミニウム(Al)にはリン酸(H2PO4)、硝酸(HNO3)、酢酸(CH3COOH)などがあり、洗浄時の乾燥にイソプロピルアルコール(IPA)があり、レジスト剥離には硫酸(H2SO4)や発煙硝酸などがある。またほかにエタノール、アセトンなども良く使われる。これらの薬品は薬品製造会社から供給されるので製造元のゴミ対策、不純物対策が完全に行われていることは当然であるが、運搬、容器さらにはユーザーのユースポイントまでが完全に制御されている必要がある。大量に使われる薬品はユーザーにおいても一箇所で管理されそれぞれのユースポイントまではテフロン配管で供給されている。そして、ポイントポイントで薬品専用のフィルタが使用され、ゴミの除去がなされている。
ガスには窒素、酸素、水素のように多量に多くの場所で使用されるものと各工程で各用途に応じて使用されるガスがある。窒素、酸素、水素のような多量に使われるものは液化ガスとして供給され、それを気化させて各ユースポイントにステンレス配管で供給されており、必要に応じてフィルタが使われている。各工程で使用される特別なガスはボンベでユースポイント個々に供給されている。ガスにおいても純度、ゴミには細心な注意が払われており、ステンレス配管の繋ぎは溶接が施され、コックなどにも特殊なものが使われ、配管の内面まで鏡面加工されている。表6−2で示すように製造工程で使われるガスの種類は多く、そして、表6−3に示すように危険なガスが多い。そこで、ガスの場合は安全性に特に注意が払わなければならない。実際に過去には半導体製造工場や大学などにおいて事故が発生している。ガスボンベにおいてはボンベボックスに収納され、ボンベ個々には自動遮断装置取り付けられ、ボックスからは排気ガス処理装置を通して強制排気され、ユースポイントには各種のガスセンサが設置され自動監視が行なわれている。
図6−9 超純水装置の概要 |
表6−2 製造に使われる主なガスの種類 拡散炉 熱酸化―――O2、H2、HCl、N2、Ar 不純物拡散――PH3、POCl3、B2H6、AsH3、BCl3、BF3、N2、O2、 H2、Ar CVD エピタキシャル―――SiH4、SiH2Cl2、SiCl4、AsH3、B2H6、 PH3、HCl、H2、N2、Ar ポリシリコン―――SiH4、SiH2Cl2、SiCl4 窒化膜(Si3N4)―――NH3、SiH2Cl2、SiH4 酸化膜(SiO2)(HTO、LTO、PSG、BPSG) NO2、SiH2CL2、SiH4、O2、CO2、PH3、B2H6、 AsH3、Si(OC2H5)4 メタル(W、WSix、Al)―――WF6、SiH4、AlCl3、H2、N2、He、 Ar イオン注入 イオン源―――AsH3、PH3、BF3、SiF4、BCl3、PF5 ドライエッチング シリコン―――CF4、SF6、NF3、CCL2F2、Cl2、CCl3F、C2F6、 CCl4 酸化膜―――CF4、CHF3、C2F6、C3F8 窒化膜―――CF4、CHF3、CH2F2、SiF4、NF3、SF6 Al、Al合金―――BCL3、Cl2、CCl4、SiCl4 メタル、シリサイド―――CF4、Cl2、CClF3 |
表6−3 ガスの性質 窒息性―――Ar、N2、CO2 支燃性―――O2、空気、N2O 可燃性―――GeH4、AsH3、PH3、SiH4、B2H6、SiH2Cl2、SiHCl3 爆発性―――H2、CH4、C2H2、C3H8、H2S、CO 毒性―――AsH3、B2H6、PH3、SiH4、C2H2、CHClF2、BF3、NH3、 CO、H2S、Cl2、HCl、CCl4、BCl3、PCl3、SiCl4 腐食性―――NH3、HCl、Cl,Cl2、H2S、BF3、PCl3、PCl5、 SiCl4 悪臭―――N2O、H2S、Cl2、NH3、HCl、BF3 |
図6−10 ゴミの計測 |
ゴミの計測:清浄度を計測する方法は図6−10に示されている。大気中および液体中のゴミの数を計測するには計測管に計測ポイントから大気および液体を導入し、管にレーザ光を当てるとこの場所にゴミが来るとレーザ光が散乱し、光軸から外れた場所に置いてあるフォトディテクタに受光される。このようにしてカウントされた数とレーザ光の断面により、ゴミの大きさと流量から清浄度が計測できる。また、シリコンウエーハ表面上に存在するゴミの数を計測するには図に示すようにレーザ光を表面に入射させ、このレーザ光を表面をスキャンさせる。ゴミが存在するとゴミによりレーザ光が散乱される。これをウエーハの上方に置かれたフォトディテクタで検出される。
微量不純物分析:上述のようにゴミの量はトランジスタ素子を製造する上で重要な問題であるが、これと同じくらい重要なものが不要な不純物(主に金属不純物中でも重金属不純物)である。この不純物の微量分析法として試料を数千度に加熱し、原子化させて原子特有の光の波長の吸収を測定し、試料中の元素を同定する原子吸光分析(atomic absorption spectrometry)。そして、アルゴン放電プラズマ中に試料を導入し、元素を励起し、この試料からの発光スペクトル強度を測定して試料中の元素と量を同定する誘導結合プラズマ発光分光分析(inductively coupled plasma atomic emission spectroscopy)、また、プラズマにより試料の元素を励起させこれを原子質量分析を行なICP−MS法(inductive coupled plasmaーmass spectrometry)がある。これらにより1〜0.01ppb(part/billion:1/10億)の微量分析が可能である。
2.電気の発生 (電池;電力発電(水力、火力、原子力、地熱、風力))
3.交流電圧、電流、電力 (交流電圧、電流、電力;受動素子;アナログ計測;インピーダンス)
4.半導体素子 (半導体の基礎[原子における電子軌道、結晶、固体内の電気伝導]、PN接合ダイオード、ショットキーダイオード、LED、レーザーダイオード、フォトダイオード、ガンダイオード、インパットダイオード、バイポーラトランジスタ、MOSFET、JFET・MESFET・HEMT、SCR)
5.集積回路 (バイポーラ集積回路の例、CMOS集積回路の例)
6.IC製造基盤 (シリコン結晶、ウエーハ製作、クリーンシステム)
7.IC製作前工程 (洗浄、ウエットエッチング、リソグラフィ、エピタキシャル成長、絶縁膜形成、ドライエッチング、不純物拡散、導電膜形成、真空)
8.IC製作後工程 (組み立て、検査、信頼性、IC環境試験、IC故障要因、評価解析)
9.電子回路(1)A:アナログA (単一トランジスタ増幅回路、2段増幅回路、差動増幅回路、定電流電源と定電圧電源、出力段回路、演算増幅器)
10.電子回路(1)B:アナログB (発振器、変調・復調回路)
11.電子回路(2)デジタル (パルスの発生、積分・微分回路、論理演算回路、インバータ回路、NAND;NOR回路、フリップフロップ回路、カウンタ回路;レジスタ回路、メモリ回路、A/D;D/Aコンバータ、デジタルの基礎理論)
12.高周波回路 (電磁波、分布定数回路、導波管、方向性結合器、同軸導波管結合器、無反射終端、サーキュレータ、増幅回路、発振回路、衛星放送受信コンバータ、アンテナ)
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